松岡

重久酢醸造場の取材レポート

今回は『白井田七。甕(かめ)』と『りんご甕酢』の原材料である黒酢の生産地、

鹿児島県福山市『重久盛一酢醸造場』に訪問したときの様子をみなさまにご紹介します!!

 

僕は『重久盛一酢醸造場』にはじめてお邪魔するので、くまなくご紹介できるようにがんばりますね!!

 

黒酢が出来るまでの流れ

 

お酢(市販)を作るにはたった3つの原料しか使いません。

 

麴、米、水

 

たったこの3つだけです。

 

ちなみにお酢(市販)と黒酢は原料も製法も違うとか。

 

ーーーお酢ー:ー黒酢ーーー

玄米    : 玄米

タンク   : 陶器の壷

数か月発酵 : 一年以上発酵

 

通常のお酢も

玄米を使ってるんですね!

びっくりですっ!

原料が少ないからこそ、原料へのこだわり、工程の丁寧さが重要になるそうです。

 

『重久盛一酢醸造場』では

 

・秘伝の製法でつくられた麴

・100%国産玄米

・ミネラル分を含んだ福山の地下水

 

という、こだわりぬいた原料を使っています。

 

ちなみに『りんご甕酢』で使用しているりんごは、白井田七の開発者である

白井博隆さんが長野県佐久市で育てている完全無農薬のりんごです!!

 

もちろん『白井田七。甕』の白井田七も完全無農薬なので安心ですね!!

黒酢作りと重久家

 

さてさて、『重久盛一酢醸造場』がある鹿児島県福山市は、桜島を望む錦江湾の入江に位置する

とても自然豊かで、年間を通して温暖な気候が特徴的な場所です。

伺ったのは11月初旬にもかかわらず、陽射しが強くじんわりと汗ばむほどでした。

 

 

「この温暖な気候というのが黒酢の発酵には、かかせないポイントです」

「寒くなると黒酢の発酵に不可欠な麴菌(こうじきん)が発酵しにくくなるので、最低でも20度以上の気温が望ましいですね」

 

そう教えてくださったのは、江戸時代から200年続く『重久盛一酢醸造場』現当主 重久雅志(まさし)さんのお父様、先代 重久盛哉(もりや)さんです。

 

盛哉さんは、原料のお米不足やさまざまな理由からお酢が造れなかった苦しい時代や、

お酢の健康効果が見直されたお酢ブームの時代を経験されていらっしゃるそうで……

 

時代に合わせた調整と挑戦を繰り返してきたと話してくださいました。

 

「古いものを守るために同じことを続けていたら、後退していきますから」

 

と穏やかな笑顔で話してくださった盛哉さん。

 

200年受け継がれてきた『重久盛一酢醸造場』の今日までの道のりにも思いを馳せることができました。

 

実際の黒酢醸造の工程を、ひとつひとつ詳しく説明してくださる坂元さん。

 

黒酢は春と秋の年2回、仕込みを行うそうです。

『甕壷仕込み』と言われる、

ひとつひとつの甕壷に麹や玄米、地下水を丁寧に仕込み発酵させる。古来より伝わった伝統的な手法を行ってらっしゃいます。

甕壷には天然の酵母や酢酸菌が住んでおり、

なんと200年前の甕壷もあるそうです!!!!

しかも現在も、その甕壷でお酢を造っていると聞きとてもびっくりしました。

 

 

 

これが200年前の甕壷

こだわりの黄麴

 

これがこだわりの黄麴です。

食べられるそうなので「ぜひ!! 」とお願いして食べさせてもらいました。

噛んでいると次第にほの甘い味が口いっぱいに広がります。

あとにひかない爽やかな糖の甘さがくせになり、うっかり食べ過ぎそうになってしまいました。

この黄麹を作るには、温度調整などがとても難しいらしく、

とても集中力が必要な工程だそうです。

 

続いて、蒸し玄米。

玄米を約一時間蒸し、糖化しやすくすることで、まろやかな黒酢ができます。

 

蒸しあがった玄米を壷ごとの量に分ける作業を体験させていただいたのですが、

想像以上に重労働でした。

 

 

僕は、この日8kgの玄米を甕壷に入れてヒィヒィ言っていたんですが、

「今日の8㎏は少ない方ですよ。日によって量が違いますからね」

と言われてしまいました。

いいものには手間と職人さんの努力が詰まっている。

 

そしてかなめとなるリンゴ。

僕がおぼつかない手つきでりんごをいれていると

『ひとつ残さず綺麗にりんごを入れないと白井さんに怒られます〜』

 

と冗談混じりに話しながら、ひとつも残さず丁寧にりんごを仕込んでいく 現当主の重久雅志さん。

『りんご甕酢』で使用しているりんごは、白井田七の開発者である 白井博隆さんが長野県佐久市で育てている完全無農薬のりんごを使用しています。

 

思い通りにいかなかった開発時に、重久雅志さんと白井さんが お二人の信頼関係で乗り越えて来られたお話しも伺っていましたので、

商品が完成した後も重久雅志さんの、白井さんへの変わらない信頼を 大切にしながらひとつひとつの工程を丁寧にされている姿が とても素晴らしいなと思いました。

 

そしてりんご、麴、玄米を甕に入れた後に地下水を入れていきます。

 

間近で見ると迫力が凄かったのですが

混ぜずに地下水を入れていたので

 

「これは混ぜずに地下水を入れても大丈夫なんですか?」

 

私が質問をすると重久さんは笑顔で答えてくれました。

 

「水圧で混ざるんですよ。勢いよく水を入れてうまく混ざるようにしています。」

 

混ぜあがった黒酢のもとは綺麗に泡立ち、まるでカフェラテのような色合いでした。

 

これがあの酸っぱい黒酢になると思うと感慨深くないですか?

完成した黒酢は非常にすっぱくコクのある黒酢に仕上がっていました。

そしてすごくさらさらなこの黒酢。

 

ここまで手間がかかった黒酢、「おいしくないわけがないっ!!」

 

希釈して薄めた黒酢は何にでも合うものとなってます。

 

今回現地に行きましたが、重久醸造所でのお仕事の大変さが身に染みた二日となりました。

また現地に行った際はレポートしますっ!

 

松岡