上海中医薬大学 日本校校長

漢方で夏バテを解消

夏バテとは?

 

 

私たちが日常的に「体が疲れた」と口にする時は、肉体も精神も、あらゆる疲労は

中枢神経及び自律神経が疲れることを表現しています。

その結果、脳の活動は遅くなったり、自律神経の機能が低下します。

 

本来なら対処できる生活と仕事が対応しきれない状態になることを、

いわゆる「バテ」という状態になるのです。

 

特に夏は疲労を悪化させる要因が多く、これが「夏バテ」を招きます。

 

 

 

夏と睡眠の関係

 

 

夏は気温も湿度も高い環境が特徴ですが、夏の夜の熱さによって「睡眠が浅い」。

大量の発汗により「体液不足」の状況が発生し易くなることが要因で夏バテになります。

特に熱帯夜が続くと、室外気温だけでなく室内も高温となるケースがあることから、

熱中症が発症する可能性も高くなります。

また、暑さで寝苦しく目が覚めてしまい、ぐっすり眠れず不眠から体調を崩しやす、

汗が多く出て十分な水分補給が足りない場合、慢性的な体液不足が続きます。

そうなることで、熱中症が発生しやすい体内環境になります。

さらに、体調バランスが崩れると

「体が疲れやすい、疲れが取れにく」

「食欲がない」

「眠たい、睡眠不足」

「仕事に集中できない、集中が続かない」

 

 

 

 

などの不快感や症状を感じるようになります。

 

 

夏バテの対策は、まず、質の良い睡眠を取ることです。

人の睡眠には

「レム睡眠」(脳は起きていて体が眠っている睡眠)

「ノンレム睡眠」(脳も体も眠っている睡眠)

 

の2種類があり、それを繰り返しながら眠っています。

 

 

 

 

 

寝つくとまずノンレム睡眠が訪れます。

 

とりわけ最初の90分間のノンレム睡眠は、睡眠全体の中で最も深い眠りです。

その次、入眠後およそ90分後に訪れるのが最初のレム睡眠です。

 

まぶたの下で眼球がすばやく動く「急速眼球運動」が見られ、このタイミングで夢を見たりします。

熱帯夜の対策として、室内の温度はエアコンを27度に設定し、薄い毛布を掛けて、

快適な睡眠環境をつくることが重要となります。

 

 

夏バテ予防レシピ

 

 

夏バテに対し、薬膳料理はその予防対策の重要な一環です。

十分な栄養分と消化吸収し易い4つのスープをお薦めします。

 

 

《緑豆ビーフスープ》

 

材料(~3名分)

緑豆:15g

チンゲン菜:10g

牛肉:100g

みかんの皮:5g

ハトムギ:10g

水:600ml

料理酒:適量

塩:適量

 

~作り方~

 

)牛肉を小さく切り分け、緑豆、みかんの皮、ハトムギをお鍋に入れて、水を加え、火をとおす。

2)沸騰後、適量の料理酒を入れ、弱火で30分程度煮つめます。

3)チンゲン菜をいれて約3分間煮たて,食塩少量加えて完成。

  

《白キクラゲとスイカのスープ》

 

材料(~3名分)

 

熟したスイカ:300g

白キクラゲ:10g (時間ほどみずにつけておく)

水:300ml

氷砂糖:5g

 

~作り方~

 

)お鍋に水を加えて、沸騰後、氷砂糖を入れ溶けたら、白キクラゲを入れ30分煮詰める。

2)火を止め温度が下がったらスイカのしぼり汁を加えて混ぜたら完成。

    

 

《白きくらげと梨・百合のスープ》

 

材料(~3名分)

 

百合:10g

白キクラゲ:各10g (時間ほどみずにつけておく)

枸杞(クコ):3g

梨:1個

氷砂糖:5g

水:600ml

 

~作り方~

)お鍋に水を加え、水に3時間漬けた白キクラゲを入れて、沸騰したら弱火で30分煮たたせる。

2)百合、枸杞、梨、氷砂糖を入れて,10分間煮た後、火を止め温度が下がったら完成。

    

《ミックス野菜スープ》

 

材料(~3名分)

 

西洋人参:5g

ハトムギ:5g

冬瓜:100g

ヘチマ:100g

ミント葉:3g

もやし:20g

塩:適量

水:600ml

 

~作り方~

)西洋人参を鍋に入れ、水を加えて,30分煮る。

)火を止めて温度が下がったら濾過。

)西洋人参の汁とハトムギを一緒に10分程度炊いた後、鍋の中に冬瓜、ヘチマ、もやしを入れ

5分間煮立てたたせ火を止め冷ます。

)自然冷却の後、ミント葉・塩を入れて完成。

    

《豆腐蓮の実スープ》

 

材料(~3名分)

 

豆腐:100g

蓮の実:10g

茯苓(ブクリョウ):5g

山芋:5g

ハトムギ:10g

塩:適量

料理酒:3ml

水:600ml

 

~作り方~

 

)材料を鍋に入れて、水を加え、30分煮つめ冷ます。

)温度が下がったら、適量の塩と料理酒を入れて少し煮立たせる。

火を止めて温度が下がったら完成。

  

ぜひ、レシピを作って夏バテを予防しましょう。

 

上海中医薬大学附属日本校

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上海中医薬大学 日本校校長